石井崇さんの世界
わたしは毎日ポストを開く瞬間が結構好きである。
そこには毎月購読している本が入っていたり、
お気に入りのお店からの案内状やカタログが入っていたり、
カードの明細や健康診断の結果など封を切るのにドキドキするものもあるけれど、
ずっと会っていない遠くに住む友人からの手紙が入っていたりして、思わず頬が緩んでしまう。
何も入っていない日もあるけれど、それもまた良し。
今日もドキドキしながらポストを開くと、たっぷりいろんなものが入っていた。
家に遊びに来ていた両親が「そんなに入っているの?」と言うほど、今日はたくさん入っていた。
購読している本1冊、WOWOWの番組表、ダイレクトメール、金融機関からのお知らせ、チラシ類、そして分厚い茶封筒が1つ。
夫宛に届いたその分厚い封筒の差出人を見ると「石井崇拝」とある。
とっても見慣れた名前だけれど、ものすごい違和感を覚えてはたと気づく。
もしかして、わたしたち夫婦が大好きな画家の石井さん?!と。
大急ぎで家の中に駆け込み、封筒を開いてみると、石井崇さんの画集とポストカード、そして直筆のお手紙だった。
ドキドキしながら手紙(素敵な挿絵入り!)を読むと、絵を購入したことの御礼と、被災地に住む私たちへの気遣い、そして激励の言葉が綴られていた。
あまりに突然のことで、驚きと嬉しさで、きっと血圧を測ったらものすごい数値になっていたのではないかと思うくらい。
家に帰ってきた夫に真っ先に封筒を渡すと、わたしと全く同じ反応なのがおかしかった。
送って下さった画集にはメッセージと絵が描かれていて、わたしたちにとってとても大切な宝物となった。
ページを一枚一枚めくっていくと、石井さんの世界がどんどんと広がってくる。
どんな場所で、どんな光景を描いたのか、眺めているだけで自分も旅をしている気分になれるし、とても癒される。石井さんの絵は、そういう絵なのです。