杜の写真館

愛犬ミント(Tプードル)との生活をゆるゆると綴っています

「なぎさホテル」伊集院静著

以前書いたような記憶もうっすらあるけれど、ここ数年のわたしの読書の対象は夫の蔵書がそのほとんどを占めている。

ずっとずっと昔は書店で好きな作家や心惹かれるタイトルが選ぶ基準ではあったけれど、最近はあまりこれという本に巡り会わないので、手近なところで済ませている感もあるけれど、家にあってまだ読んでいない本から読むことにしている。

昨夜読んでみようかなと手にとったのが、

伊集院静の「なぎさホテル」。 Book_e036b

伊集院静の本は書棚に何冊もあるけれど、ほとんど読んだことがなかったし、手に取りさえしなかった。

特に理由はないけれど。

それなのに、タイトルに不思議と惹かれて手にとり、最初の数行を読んだだけで、あっという間に本のなかに引きずり込まれてしまった。

舞台は逗子の名門ホテルであった”逗子なぎさホテル”。

著者が作家としてデビューする前の7年間を過ごしたこのホテルでの日々が綴られている。

文体にも惹かれたけれど、なぎさホテルで働いていた人々にとても魅力を感じた。

ネタバレになるといけないので、詳しくは書かないけれど、このホテルで過ごす機会があったならと思わずにはいられなかった。

鎌倉には数年前に一度あじさいの美しい時期に訪れたことがある。

その時も、こんなところで暮らせたらいいなと思ったけれど、この本を読んでますますこの辺りのどこかで静かに暮らしてみたいと思った。

ミントMintが一緒だと静かになんて暮らせないけれど(笑)。

そんな思いにさせてくれる、とても素敵な本が「なぎさホテル」です。