悪い子
ミントは飼い主の欲目かもしれないが、本当にかわいい。
顔立ちもそうだし、行動やしぐさが見ていてたまらないほどかわいい。
でも、そんなミントも悪い子にしばしば豹変する。
オオカミ男が満月の夜にオオカミになってしまうように、
食卓にごちそうが並び始めると、悪い子に豹変してしまう。
これは小さい頃から訓練しているけれど、食卓の上のごちそうの誘惑に未だに勝てない。
事件は、先日お友達が遊びに来たときに遡る。 (本当はもっともっと遡りたいけれど、数え切れないっ!)
2人でお昼ご飯を食べていた時、お友達のパンを強奪。 (なぜ、私のではないのか?! もちろん怒られるから。)
そして、思いっきり歯を食いしばり、私に奪われる前に丸呑み。
いけないことだけど、パンなら少しの量ならば体に悪い影響はないからと、きつく注意して終了。
でもその数分後、私がちょっと中座したときに、私のスープをチャプチャプ。
それはだめ~~! だって、タマネギ入りなのだから。
もちろん叱ったけれど、体調の方が気になってその日は心配で仕方なかった。
そして、今日。
朝ご飯中、どこからともなくやってきて、ハンバーグにかぶりつく。 もちろん、タマネギ入り。
口の中から奪い返すときに、ミントに噛まれ(私が)、厳しく叱られる(夫に)。
● 人間の食べ物をつまみ食いしてはいけない、
● そして人間の手を噛んではいけない、
とあれほど教えてきたのに、どうしてもつまみ食いをやめられない。
そして、強奪した食べ物を奪われまいとして、取り返そうとする手を噛んでしまう。
ミントに噛まれても小型犬ゆえ、大した痛みではないけれど、手を噛むという行為自体が犬には許されないのです。
今回は厳しく対応するために、しばらくミントの存在を無視していました。
犬にとって、大好きな飼い主から無視されることは、とっても苦痛なこと。
だから、あえて落ち着くまで無視していたのです。
ようやく落ち着いて静かになったので、ミントはどこかな?と部屋を見回してみる。
おや?いつもいる場所にはどこにもいない。
お気に入りの場所数ヶ所を目で追っても、姿はなし。
はて…?と思っていると、足元から「チリリン」と鈴の音が聞こえる。
デスクの下をのぞいてみると…
いました。こんなところに。
名前を呼ぶと嬉しそうに顔を向けてくる。
うんうん、わかったから。
もう悪い子にはならないでよ、と、仲直りの抱っこ。
そして、かわいいミントに戻ってゆくのです。
でもね、ミント。 ならぬことはならぬものですよ。(会津藩「什の掟」より。)