温泉山荘 だいこんの花
年末年始は、主婦にとってはとても忙しいのです。
年賀状作成、大掃除、お正月を迎える準備とお正月中の対応などなど。
小さな子どもがいる家庭ではもっと大変なのでしょうね。
お正月が過ぎ、普段どおりの生活に戻るとようやく自分のペースが戻ってきます。
今年はそんな疲れを温泉と美味しい料理を食べて癒すべく、宮城蔵王の麓、遠刈田温泉にある「温泉山荘 だいこんの花」に行ってきました。
シンプルながらもとても感じの良い玄関を通って母屋(ホテルでいうとロビーかな?)に着くと、高く造られた天井に、まゆ玉が可愛らしく飾られていました。
最近ではまゆ玉を見かけることは少なくなってきたので、旅館でこのような小正月の飾りを見ることができるということは、季節感があってとても良いですね。
雪深い蔵王の麓なので、囲炉裏の火も心地よく感じられます。
なぜって、外にはこんなに立派な氷柱がたくさんあるのですから!
外はとっても寒かった!
氷柱を眺めながら廊下を進むと部屋に到着。露天風呂付の離れのお部屋です。
玄関では小さなおひな様が出迎えてくれました。
そして、小さな囲炉裏も暖かく迎えてくれました。
後に、この囲炉裏との壮絶な戦いが始まるとも知らず、しばし火にあたりながら、会話も弾みます。
もちろん、部屋はエアコンと温泉を利用しているらしい床暖房が入っていて、寒くはないのですが、なんとなく火にあたりたくなるのです。
村上春樹の「アイロンのある風景」(『神の子どもたちはみな踊る』に収録)という短編小説があります。
登場人物たちが流木を集めて焚き火をし、それを、その”作品”を眺めるという、簡単に言うと(本当に簡単すぎるけれど)そういう内容の作品です。
以前、夫とこの本の中に収録されている作品の中で好きなものはどれかという話をしたとき、夫はこのアイロンのある風景を挙げ、わたしはどちらかというとあまり惹かれなかった作品だったのですが、こうして囲炉裏の小さな火にあたっていると、なんとなくあの作品に出てきた登場人物たちの気持ちと自分の感覚が不思議に重なって、家に帰ったらもう一度読んでみようと思ったのでした。
しかし、夜になってこの暖かな囲炉裏の火が消えてしまいそうになり、側に用意してあった新しい炭をくべ、囲炉裏の火が再び暖かくなるのを待ったのですが、やはり素人には難しく、残念ながら火は完全に消えてしまいました。
何度か再チャレンジしましたが全然ダメで、旅館の方に新しい熱々の炭を持ってきていただきました。
この後も炭との格闘は数回に及び、結局一度も成功することはなかったのです(涙)。
まだまだ修行が必要なようです。でもああでもない、こうでもないと楽しかった。
この後、楽しい夕食が待っています。
明日に続く。